2022年の健康本ベストセラーは?
2023.01.01
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、出版取次大手の日販(日本出版販売)、トーハンから、昨年2022年の年間ベストセラーが発表されました。2022年は、どんな健康本が読まれたのでしょうか?
年間ベストセラートップの健康本
日販、トーハン両方の年間総合ベストセラーのトップテンに入ったのが、どちらも精神科医の和田秀樹先生の『80歳の壁』(幻冬舎)と『70歳が老化の分かれ道』(詩想社)です。
2022年3月に出版された『80歳の壁』は、累計発行部数53万部で、日販、トーハン両方で年間ベストセラーランキングのトップに。
人生100年時代といわれる一方で、健康寿命の平均は男性72歳、女性75歳にとどまっていて、実は80歳を目前に寝たきりや要介護になる人は多い。その“80歳の壁”を乗り越えるにはどうすればいいのか――。
高齢者専門の精神科医として、たくさんの高齢者を診てきた和田先生は、「80歳を過ぎたら我慢をしない、という生き方を」と説きます。
その軽妙な語り口も相まって、80歳の壁を身近に感じている読者、あるいは、その子ども世代にとって、老いてもなお幸せに生きていくための指南書となったのかなと思います。
『70歳が老化の分かれ道』は、2021年6月に出版されたもの。今の70代は昔とは違い、現役時代の延長でいられる「最後の活動期」だと主張し、70代の過ごし方でその後の老い方が変わる、といいます。その大事な70代の生き方について語った本です。
実用書ジャンルのベストセラー健康本3冊
日販のジャンル別の年間ベストセラーランキングでは、実用本のトップテンに次の3冊が入っています。
●『肩こり 便秘 たるみ むくみ うつうつを自分の手でときほぐす!ひとりほぐし』(崎田ミナ、日経BP)
『ずぼらヨガ』や『すごいストレッチ』などでおなじみのイラストレーター・崎田ミナさんのコミックエッセイ。なぜそこをほぐすと不調がやわらぐのかという説明とともに、セルフマッサージのやり方をわかりやすいイラストで教えてくれます。
●『認知症世界の歩き方』(筧裕介、ライツ社)
認知症は、認知機能が低下して、日常生活全般に支障が出てくる状態のこと。ただ、同じ「困りごと」でも、その背景にある問題は一人ひとり違います。「認知症の人には世界がどんなふうに感じられているのか」を、当事者のインタビューをもとに13のストーリーで教えてくれるのが、この本。今までになかった、“本人の視点”で認知症を知ることのできる一冊です。
●『運動をしなくても血糖値がみるみる下がる 食べ方大全』(山田悟、文響社)
著者は、ロカボの提唱者として知られる山田悟先生。実際の患者さんの例も紹介しながら、「血糖値が下がる食べ方=ゆるやかな糖質制限」について伝えた本です。
新年を迎え、「健康的な生活」や「運動習慣」を抱負に掲げる方も多いのではないでしょうか。健康本は、そのヒントになるとともに、読んでいると「ちょっとがんばろうかな」と思え、モチベーションアップにもつながりますよ。
◎参考
日本出版販売株式会社 2022年年間ベストセラー(2021.11.22~2022.11.21)
https://www.nippan.co.jp/ranking/annual/
トーハン 2022年年間ベストセラー<総合>(2021.11.22~2022.11.21)
https://www.tohan.jp/bestsellers/2022_2.html