「イライラして甘いもの」が低血糖を引き起こす?

2022.10.01

仕事中や家事の合間に小腹が空いたとき、あるいはちょっとイライラしたとき、疲れを癒したいときに甘いものに手が伸びる人は多いと思います。
ところが、「反応性低血糖」と言って、甘いもの(糖質)を体に投入した後、しばらくすると低血糖状態に陥り、かえってイライラや疲れを引き起こしてしまうことがあります。
心と体を癒すための間食がかえってイライラや疲れを生みだしてしまう……ということにならないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。今回は、反応性低血糖についてお伝えします。

甘いものを食べれば血糖値が上がる

甘いもの(糖質)を食べると、体内でブドウ糖(単糖)にまで分解されて吸収され、血液中を流れていくので、血糖値(血液中の糖の値)が上がります。
血糖値の急上昇は、活性酸素の発生を促し、血管の内側を傷つけるので、体にとって好ましい状況ではありません。そのため、私たちの体には、血糖値を一定に保つ働きが備わっています。
具体的には、すい臓から「インスリン」というホルモンが分泌され、血液中の糖(血糖)を細胞に取り込み、血糖値を下げるように働きかけるのです。

なぜ血糖値が下がるの?

 
さて、反応性低血糖では、なぜ甘いものを食べたあとに低血糖に陥るのでしょうか。
それは、急激に上がった血糖値を下げるために、インスリンが過剰に分泌されて、血糖値を下げ過ぎてしまうからです。そうすると、倦怠感や眠気、空腹、頭痛、吐き気、不安感といった症状を引き起こします。

反応性低血糖の原因

甘いものを食べてもそれが適量であれば、反応性低血糖は起こりません。
また、血糖値が上がっても、すぐにインスリンが分泌されて、適正に糖が処理されれば、低血糖に陥ることはありません。
反応性低血糖は、「糖質のとりすぎ」と、「血糖値の上昇とインスリン分泌のタイミングのズレ」によって起こります。
血糖値が上がればインスリンが分泌されるのですが、2型糖尿病の初期などでインスリンの効きが悪くなっていると、すぐには血糖値が下がらず、「もっとインスリンを!」と、インスリンがたくさん分泌されます。そうすると、結果的には必要以上にインスリンが出るので、血糖値が下がり過ぎてしまうのです。

気になる方は検査を

そのため、反応性低血糖は、インスリンの効きが悪くなっている2型糖尿病の初期の人、あるいは胃を切除した人(糖質の吸収が早く、食後に高血糖になりやすい)などによく見られます。

食後に無性に眠くなる、食事をとった2、3時間後にすぐに空腹に見舞われる――といった方は、反応性低血糖を疑ってみてください。
そういう方は、小腹が空いたときの間食は、ナッツやチーズ、ハイカカオチョコレートなど、あまり血糖値を上げないものを意識的に選びましょう。

そして、反応性低血糖は、インスリンの効きめが悪くなっているサインかもしれません。気になる方は、検査で調べることができます。
メディカルプライム神田2階の神田駅東口クリニックへお気軽にご相談ください。  

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