インフルエンザの予防接種は受けるべき?
2021.11.01
冬が近づき、例年であればインフルエンザが増えはじめる時期になりました。
昨年は新型コロナの影響なのか、インフルエンザの発生は非常に少なかったですが、今年はどうなるのでしょうか。そして、インフルエンザの予防接種は受けたほうがいいのでしょうか。「どうしようかな」と悩んでいる方は少なくないと思います。
そのひとつの指針として、日本感染症学会インフルエンザ委員会が「2021-2022年シーズンにおけるインフルエンザワクチン接種に関する考え方」という提言を出しています。
2020年冬、インフルエンザが流行しなかったのはなぜ?
昨年(2020年)の冬はインフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行が心配されましたが、結果的には、インフルエンザの報告はほとんどありませんでした。
これは、コロナ対策として普及した「手指衛生やマスク着用、三密回避、国際的な人の移動の制限等の感染対策がインフルエンザの感染予防についても効果的であったと考えられます」と、日本感染症学会インフルエンザ委員会は指摘しています。また、よく言われるように、インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスの間でウイルス干渉が起こった可能性もある、とのことでした。
2021年冬、インフルエンザは流行する?
ということは、今年の冬もインフルエンザは流行しないのでしょうか?
ところが、そうとは言えないようです。
まず、北半球の冬季のインフルエンザ流行を予測するうえで参考になるのが、南半球の状況です。オーストラリアからの報告では、2021年シーズンも昨年と同じように非常に少なかったそうです。ただ、アジアの熱帯地域では違っていて、たとえばバングラディシュでは2020年後半にインフルエンザA型が、2021年初夏にはB型が、インドでは2021年夏にA 型が流行したそうです。
そのため、これらの地域で保存されたウイルスが、今後国境を越えた人の移動が再開されることで「世界中へウイルスが拡散される」のではないか、と危惧されます。また、「前シーズン、インフルエンザに罹患した人は極めて少数であったため、社会全体の集団免疫が形成されていないと考えられます」とも指摘。
インフル予防接種は「積極的」に
こうしたことから、日本感染症学会インフルエンザ委員会は「2021-2022年シーズンにおいても、インフルエンザワクチンの積極的な接種」をすすめています。
ところで、コロナワクチンとインフルエンザワクチンは同時に接種してもいいのでしょうか?
米国CDC(疾病予防管理センター)は、効率的にワクチンを接種し接種率を高めるために「同時接種も可」としていますが、日本では、現時点ではコロナワクチンとその他のワクチンは、2週間は空けることとしています。つまり、最近コロナワクチンを打った方は、2週間経ってからインフルエンザの予防接種を、ということです。
インフルエンザワクチンは不足する?
また、インフルエンザワクチンの供給量が今年は少ないとのニュースを耳にします。
そのため、打ちたくても打てないのではないかと心配される方もいらっしゃるようです。
たしかに昨年度に比べると2割程度減少しますが、それは、昨年度の供給量がとくに多かったから。例年と比べると少ないわけではなく、ほぼ例年通りとのことです。
メディカルプライム神田では、2階の神田駅東口クリニック(https://kanda.clinic/)と、6階の神田ウィメンズクリニック(https://kandawomens.com/)で、インフルエンザの予防接種を行っています。ただし、在庫がなくなり次第終了となりますので、予防接種の状況については、それぞれのクリニックにご確認ください。
◎参考
日本感染症学会「2021-2022シーズンにおけるインフルエンザワクチン接種に関する考え方」
https://www.kansensho.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=44
厚生労働省「ワクチンの供給状況について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou03/index_00002.html