大人のあせも、原因と治し方

2021.09.01

まだまだ暑い日々が続くなか、「あせも」に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
あせもは子どもの病気と思われがちですが、大人のあせもも少なくありません。
そもそもあせもとはどういう状態なのか、どうやって治すのか、そして汗かぶれやアトピー性皮膚炎との違いとは――。

あせもとは

あせもは、正式には「汗疹(かんしん)」といって、汗の通り道(汗管)が何らかの原因でふさがることで汗が外に出られなくなり、炎症をおこす病気です。
たくさん汗をかいたあとにそのままにしておくと、汗に含まれる塩分が皮膚に残ったり、汗でべたついた皮膚に汚れがつきやすくなったりして、汗の出口がふさがれてあせもになりやすくなります。

あせもの種類は3つ

あせもには、「水晶様汗疹」「紅色汗疹」「深在性汗疹」の3種類があります。

「水晶様汗疹」は、皮膚の浅い部分に生じるあせもで、小さな透明または白っぽい水ぶくれ(水疱)がたくさんできる状態です。かゆみはありません。「白あせも」とも呼ばれます。

「紅色汗疹」は、赤い小さなブツブツがたくさんできる状態です。「あせも」と聞いて思い浮かべるのは、この紅色汗疹だと思います。かゆみも伴い、「赤あせも」とも呼ばれます。

「深在性汗疹」は、皮膚の深いところで汗管がつまることで生じるあせもです。皮膚の表面に小さく盛り上がったような発疹ができ、その部分が汗をかけなくなってしまいます。そのため深在性汗疹が広い範囲にできると、熱中症になりやすくなります。

「あせも」と「汗かぶれ」の違い

あせもに似たものに「汗かぶれ」があります。
どちらも汗をかいたときに起こる皮膚のトラブルという点では同じですが、その原因が違います。
汗かぶれは、汗による接触皮膚炎のこと。
汗の成分のほとんどは水ですが、塩分やアンモニアなどもごく少量含まれています。これらの成分が肌を刺激することで、皮膚が荒れたりかぶれたりするのが汗かぶれ(汗による接触皮膚炎)です。
汗かぶれは、肌のバリア機能が低下しているときに起こりやすくなります。

「あせも」と「アトピー性皮膚炎」の違い

アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が低下して、かゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。「あせもがひどくなった」と思って皮膚科を受診したら、アトピー性皮膚炎だったということも。
薬で炎症やかゆみを抑える、スキンケア(保湿と清潔)で肌のバリア機能を高める、症状を悪化させる要因をなるべく取り除く――という3つがアトピー性皮膚炎の治療の基本です。

汗も、アトピーを悪化させる要因のひとつとして知られていますが、汗をかくこと自体にはメリットもあります。汗をかくことが悪いというよりも、汗をかいたあとのケアが大切です。汗をそのままにしておくと、汗の刺激でかゆみがひどくなることもあるので、なるべくこまめに拭き取り、ゆとりがあればシャワーで洗い流したり、着替えたりしましょう。

あせもの治し方

3種類のあせものうち、水晶様汗疹と紅色汗疹であればセルフケアで治ることが多いです。
セルフケアで大切なのは、皮膚を清潔に保つこと。具体的には、次のようなことを心がけましょう。

 ・空調を活用して、汗をかきすぎないようにする
 ・汗を吸いやすく乾きやすい、通気性のよい服を着る
 ・汗をかいたら着替える
 ・タオル、ハンカチ、汗拭きシートなどで、こまめに汗を拭く
 ・ゆとりがあれば、入浴やシャワーで汗を洗い流す
 ・かゆみがあるときには保冷剤や冷やしたタオルで冷やす

これらは、あせもができたときだけではなく、あせもの予防にもなります。
また、あせもだけではなく、汗かぶれやアトピー性皮膚炎に対するセルフケアとしても大切です。

皮膚科を受診する目安は?

あせもは、皮膚を清潔に保つことで多くの場合は自然に治っていきます。
ただ、かゆみを伴うあせもの場合、がまんできずにかきむしってしまうと、そこから細菌などに感染してひどくなってしまうこともあります。
かゆみをがまんできないとき、かゆみが長く続くとき、セルフケアを続けても症状が良くならないときには皮膚科を受診しましょう。また、市販の薬を使って悪化した、症状が良くならないというときにも、早めの受診をおすすめします。

メディカルプライム神田5階の神田鈴木皮膚科(https://kajichoskin.com/)では、症状の緩和はもちろんのこと、根本原因を追究し、再発予防をめざした治療を大切にしています。
皮膚のトラブルやお悩みのある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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