月経周期は年齢によって変わる
2021.07.01
月に一度訪れる生理(月経)。若い頃に比べて、30代、40代と年代が上がるにつれて生理が来るのが早くなってきた――と感じている方はいらっしゃるでしょう。
じつは、月経の周期は年代によって変わってくることがわかってきました。
正常な月経周期は?
生理(月経)の開始から、次の月経がはじまる前日までの期間を「月経周期」と言います。
「25~38日に一度」の周期で訪れる場合、正常といわれます。
また、「先月は30日で生理が来たのに、今月は25日後にもう生理がはじまった……」などと、月によって生理周期が異なると不安になるかもしれません。ただ、生理は睡眠やストレス、疲労といった生活習慣によっても左右されるので、多少のズレはあります。
6日以内のズレであれば、正常な範囲内と考えられています。
20代と40代では生理周期が3日違う
ただし、「正常な月経周期は25~38日」という定義は、じつは1950年代の米国でのデータを参照にしているそうです。なおかつ、その米国の調査は研究対象者数が650人と少なく、正確性に疑問があるほか、時代も人種も環境も今とは違うのですから、今の日本人女性とは違っている可能性もあります。
そこで、国立成育医療研究センターの研究チームと、女性向けの健康管理アプリ「ルナルナ」を提供する株式会社エムティーアイが、「ルナルナ」に登録されている約30万人の情報をもとに分析を行ったところ、月経周期は年代によって変わってくることがわかってきました。
具体的には、10~20代にかけては月経周期が徐々に長くなり、23歳で「平均30.7日」と最長に。その後、30代から40代前半にかけて徐々に短くなり、45歳で「平均27.3日」と最短になって、それ以降はまた徐々に長くなっていました。
20代と40代では、月経周期が平均で3日違っていたのです。
生理不順(月経異常)、受診の目安は?
月経周期が短くなったり長くなったりすると不安になるかもしれませんが、もしかしたら年齢による自然な変化かもしれません。
ただし、月経周期が短すぎたり長すぎたり、あるいは生理期間が短すぎたり長すぎたりするときには、ホルモンバランスの乱れや何らかの婦人科系の病気が隠れていることもあります。
次のいずれかに当てはまる場合には、「月経異常(生理不順)」と考えられます。婦人科(産婦人科)の受診をおすすめします。
・月経周期が24日以内(頻発月経)
・月経周期が39日以上(希発月経)
・妊娠ではないのに、3カ月以上生理がこない(続発性無月経)
・生理が2日以内で終わる(過少月経)、または8日以上続く(過多月経)