健康本、2020年のベストセラーは?

2021.01.01

明けましておめでとうございます。
2020年は、新型コロナ騒動とともにはじまり、そして新型コロナとともに終わっていったような一年でした。
そんな2020年にどんな本が売れたのか、取次大手の日販(日本出版販売株式会社)とトーハンがそれぞれ年間ベストセラーを発表しています。

年間ベストセラー上位は、「鬼滅の刃」と「あつ森」

日販、トーハンどちらのランキングを見ても、上位にランクインしているのが「鬼滅の刃」と「あつまれ どうぶつの森」にまつわる本。どちらも、世代を問わず社会的なブームとなったものなので納得ですが、その一方で、医療や健康にまつわる本はと言うと、2020年の年間ベストセラー トップ20にはほとんど入っていません。
新型コロナウイルスの流行で、免疫力や感染症といったものに注目が集まった1年でしたが、もしかしたら、テレビで連日、新型コロナの特集をやっていたからこそ、本を買って情報収集しようという人は少なかったのかもしれません。

では、健康本で2020年に売れたものはと言うと、日販調べ、トーハン調べで「単行本実用書」部門トップ10にランクインしたのが、次の3つでした。

 ・『DVDでよくわかる! 120歳まで生きるロン グブレス』(幻冬舎)
 ・『血糖値がみるみる下がる!7秒スクワット』(文響社)
 ・『「空腹」こそ最強のクスリ』

2020年に売れた健康本、3冊

『DVDでよくわかる! 120歳まで生きるロン グブレス』は、もちろん、ロングブレスダイエットで一大ブームを巻き起こした俳優の美木良介さんの本です。まさに、息が長いブームです。
そのなかでこの本は、2019年11月に発売されたもので、「120歳まで生きる」とあるとおり、ダイエットだけではなく、「生涯元気に歩き続けるためのトレーニング」や「長寿体質をつくるロングブレス体操」が紹介されているところが特徴です。

『血糖値がみるみる下がる!7秒スクワット』の著者は、医師でありボディビルの大会にも出場されているという宇佐美啓治さん。糖尿病の治療を受けている方、健康診断で血糖値の高さを指摘された方など、血糖値を気にしている方は少なくないと思います。そんな人たちに向けて、太ももの筋肉を鍛え、基礎代謝を増やして血中のブドウ糖を取り込みやすくする(血糖値を上がりにくくする)方法(「7秒スクワット」)を伝えるのが、この本です。

もう一つの『「空腹」こそ最強のクスリ』は、2019年1月に発売され、ロングセラーとなっているもの。40歳で舌がんを患った医師の青木厚さんが、「どうしたらがんの再発、新たながんの発症を防ぐことができるか?」をテーマに研究を続け、たどりついたのが、1日のうちに16時間程度はものを食べない時間(=空腹時間)をつくり、オートファジーを誘導するという方法だったそうです。
ちなみに、オートファジーとは、体に備わっている、古くなった細胞を新しく生まれ変わらせるリサイクルシステムのことです。

おうち時間が増えて売れた本

健康本以外では、『世界一美味しい手抜きごはん 最速!やる気のいらない100のレシピ』や『藤井弁当 お弁当はワンパターンでいい!』など、手抜き、手軽につくれる料理本もよく売れました。ステイホームで家にいる時間が増えたり、家族が家にいることが多くなったりしたのに伴い、よく読まれたのかもしれません。

2021年はどんな年になるのでしょうか。
「どんな年にしたいのか」という観点から、新しい本を探してみるのもいいですね。

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