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繰り返しやすいぎっくり腰、対処法は?

2019.09.01

腰痛を抱えている人は多いものです。
厚生労働省の調査(国民生活基礎調査)を見ても、有訴者率(何らかの自覚症状を訴える人の割合)が高い一つが、腰痛です。ちなみに、男性の1位、女性の2位なのです。

腰痛のなかでも、重いものを持ち上げた拍子などに、急に痛みがあらわれる「ぎっくり腰」を経験したことのある方は多いでしょう。
ぎっくり腰は通称で、正式には、「急性腰痛症」と言います。

ぎっくり腰の原因は?

重いものを持ち上げようとした、中腰で作業をしていた、腰を急にねじった、寒い日の朝、前かがみで洗顔をしていた――。
そうした腰への負担がぎっくり腰の引き金になることはよく知られていますが、そもそもぎっくり腰が起きたとき、腰は、どんな状態になっているのでしょうか。

腰は、「腰椎」と呼ばれる5つの骨が積み重なって構成されています。
その骨と骨の間でクッションのような役割を果たしている「椎間板」や、動く部分の「関節」のトラブル、または、腰を支えている筋肉や筋などの損傷が多いと考えられています。
ただし、レントゲンやCT、MRIといった画像検査を行っても上記のようなトラブルを映し出すことはできず、腰痛の約85%は原因を特定できないと言われています。

医療機関では、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄、背骨の骨折、あるいはがんの骨転移といった他の病気との鑑別のために画像検査を行うこともあります。

ぎっくり腰は温める? 冷やす?

ぎっくり腰になったとき、温めたほうがいいのか、冷やしたほうがいいのか悩む方は多いと思います。
湿布を貼るにしても、冷湿布と温湿布があるので、どちらがいいのか悩むかもしれません。
ぎっくり腰を発症した直後は、患部が炎症を起こしている状態なので「冷やす」ほうが正解です。
ただ、2、3日経つと、炎症はおさまるので、「温め」て血流を促すことが大事です。
つまり、発症直後の痛みが強い時期には冷湿布を、痛みが少しやわらいだら温湿布に変えましょう。

ぎっくり腰は絶対安静?

ぎっくり腰を起こしたら、安静にすること。以前はそう言われていました。
そのため、痛みが治まるまで、とにかく安静にしている……という方もいるかもしれません。
でも、最近では、早めに動かしたほうが回復は早まることがわかっています。
3日以上の安静は、逆効果。普段どおりに動いた人に比べて経過が悪くなることが、さまざまな研究で明らかになっています。
ですから、発症直後の痛みが強いときは別として、少し痛みが弱まってきたら、ストレッチをしたり、自宅の中を歩いたり、できる範囲で体を動かしましょう。

4人に1人が1年以内にぎっくり腰を再発

ぎっくり腰と言えば、「繰り返す」というイメージを持つ人も多いかもしれません。
実際、一度、ぎっくり腰を起こすと、4分の1の人が1年以内に再発しているという報告もあります。

再発を予防するには、無理な姿勢を取らない、急な動作は避ける、長時間同じ姿勢を取り続けない……など、日常生活での工夫も大切ですが、根本的な原因を考えると、腰を支える筋肉を増やすこと、腰のまわりの筋肉やじん帯の柔軟性を高めることがとても大切です。
最近では、「体幹の筋量が腰痛と関連する」という研究結果も出ています。
体幹筋量が少ないほど、腰痛による生活障害度が悪化することがわかったのです。
とくに年齢が上がると、骨量や筋肉量が減りやすいので、腹筋・背筋の強化やストレッチを意識的に行いましょう。

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