血圧の目標値が変わりました

2019.05.01

高血圧治療の新たなガイドラインが発表されました。
日本高血圧学会が5年ぶりに改訂した『高血圧治療ガイドライン2019』です。

今回のガイドラインで変わったのは、「このくらいまで下げましょう」という目標値です。
75歳未満の一般成人の降圧目標値は、従来は最高血圧が「140ミリHg未満」、最低血圧が「90ミリHg未満」でしたが、今回の新しい指針では最高血圧が「130ミリHg未満」、最低血圧が「80ミリHg未満」に、それぞれ10ミリHg引き下げられました。

75歳以上の降圧目標値は、最低血圧のほうは従来どおりの「90ミリHg未満」ですが、最高血圧は「150ミリHg未満」から「140ミリHg未満」に引き下げられました。

高血圧の基準値は?

高血圧の基準値は、下記のとおりで変更はありません。

診察室血圧 140/90ミリHg以上
家庭血圧  135/85ミリHg以上

診察室で測る血圧は少し高めに設定されているのは、家でリラックスした状態で測るよりも、多少高めに出やすいからです。

正常値が厳しくなった

では、診察室血圧で「140/90ミリHg未満」であれば「正常」なのかと言うと、そうではありません。新しいガイドラインでは、“正常血圧”は「120/80ミリHg未満」とされました。
そして、正常血圧と高血圧の間である「120~129/80ミリHg未満」は“正常高値血圧”、「130~139/85~89ミリ」は“高値血圧”と呼ばれることになりました。

目標値が引き下げられ、正常値も厳しくなったと聞けば、これまでは薬を処方されなかった人にも薬が処方されるようになるのでは、と心配する方もいるかもしれません。
でも、必ずしもそういうわけではありません。
まず必要なのは、生活習慣の見直しです。そして、薬を使った治療が必要かどうかは、これまでどおり、主治医の先生とよくご相談ください。

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