花粉症の季節です
2019.03.01
3月、和風月名では弥生(やよい)です。
弥生という名前は、「草木がいよいよ生い茂る」という意味に由来すると言われています。
春が待ち遠しい季節ですが、花粉症もちの方にとっては、ツラい季節の到来かもしれません。
都内では2月11日にスギ花粉の飛散開始が確認されたと報じられました。
花粉症の治療
花粉症の治療には、「対症療法」と「根治療法」の大きく2種類があります。
花粉症の根治療法として保険診療で行われているのは、「減感作療法」(免疫療法)と呼ばれるもので、アレルギーの原因であるスギ花粉を少量から体内に入れ、少しずつ量を増やし、花粉抗原に対して防御する免疫を獲得するという治療法です。
その方法には、通院して花粉のエキスを皮下に注射する方法(皮下注射免疫療法)と、エキスを舌の下にたらし、飲み込むという2種類の方法があります。後者の「舌下免疫療法」は、初回と月に1回の定期通院以外は自宅で行えますが、毎日行わなければいけません。また、皮下注射免疫療法は2年以上、舌下免疫療法は3年以上続けることが基本であり、根気のいる治療です。
薬の組み合わせで半数以上が症状をおさえられています
一方、花粉症の対症療法では、抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、化学伝達物質遊離抑制薬などの内服薬や点鼻薬、点眼薬などを、くしゃみ、鼻づまり、目のかゆみといったお一人ひとりの症状に合わせて組み合わせて使います。
対症療法なので、花粉症を治すものではなく、症状を和らげるための治療法ですが、こうした薬をうまく使い分けることで、花粉の飛散が多い年でも、5~6割の方が、大きな副作用もなく、花粉症の症状もほとんどあらわれずに生活を送ることができることがわかっています。
花粉症と風邪の症状の違い
これまで花粉症の症状がなかった人も油断はできません。花粉症がこれだけ増えているということは、毎年新たに花粉症にかかる人が多くいるということです。
花粉症の症状は風邪にも似ていますが、「くしゃみ、鼻水、鼻づまり」という3大症状のほか、目のかゆみを伴う場合、また、透明でサラサラした鼻水が出る場合は、花粉症が疑われます。こうした症状がある場合は、医療機関に相談しましょう。