3年後、糖尿病になるリスクは?
2018.11.01
重症化すると、失明や透析、足の壊疽、心筋梗塞、脳梗塞などにつながる、糖尿病。
厚生労働省が発表した平成28年「国民健康・栄養調査」によると、「糖尿病が強く疑われる人=糖尿病の人」は約1,000万人、「糖尿病の可能性を否定できない人=糖尿病予備軍」も約1,000万人いるそうです。両者を合わせると、およそ2,000万人。
日本の人口は、いま1.2億人ほどなので、6人に1人が、糖尿病か糖尿病予備軍ということです。そう考えると、かなり身近な病気であることがわかります。
これまで健康診断などで「糖尿病」や「糖尿病疑い」を指摘されたことのない人は、「自分には関係のないこと」と思っているかもしれませんが、生活習慣病である糖尿病(2型糖尿病のことです)は、良くない生活習慣を続けていたら誰にでも発症する恐れがあります。
3年後に糖尿病を発症するリスクがわかる
「現代病」や「国民病」と言われるほどに糖尿病が身近な病気になっているなか、国立研究開発法人国立国際医療研究センターが、おもしろいシステムをホームページ上で公開していました。
「糖尿病リスク予測ツール」といって、年齢、身長、体重、血圧などの簡単なデータを入力すると、「3年以内に糖尿病を発症するリスク」と「同性・同年代との比較」「アドバイス」が出る、というもの。30~59歳のこれまで糖尿病と診断されたことのない人が対象です。
◎国立研究開発法人国立国際医療研究センター「糖尿病リスク予測ツール」
https://www.ncgm.go.jp/riskscore/
これは、多施設の3万人分の健康診断結果をもとに、人工知能(AI)を使って、国立国際医療研究センターと株式会社教育ソフトウェアが共同開発したもの。
リスク予測を見るために必ず入力が必要な項目は12個のみなので、ほんの数分あれば結果を見ることができます。さらに、任意で追加する項目となっている血液データ9項目も入力すると、さらに精度の高い予測を得られます。
過去の健診結果との比較も
健康診断の結果では、つい「A」「B」「C」「D」……といった判定結果のみに目がいってしまうかもしれません。「A」判定であればスルーし、「B」判定であれば「まぁ、大丈夫かな」……など。
今回の「糖尿病リスク予測ツール」のように、「同性・同年代の平均と比べてどうか」「将来発症するリスクはどのくらいあるのか」を具体的に知ると、「大丈夫と思っていたけれど、同年代の平均より高いんだ」といった新たな気づきを得られ、生活習慣を改めるきっかけになるのではないでしょうか。
また、健康診断結果を見るときには、去年の数値に比べてどうか、5年前の数値に比べてどうかなど、自分自身の過去のデータと比べることも大切です。