健診ではわからない「血糖値スパイク」

2017.12.01

大人の方であれば、「血糖値を一度も測ったことがない!」という方は、ほとんどいないと思います。健康診断を受けていれば、血液検査の項目のなかに血糖値もあるはずです。

  • 正常型 110㎎/dl未満(100~109㎎/dlは正常高値)
  • 境界型 110㎎/dl以上、126㎎/dl未満
  • 糖尿病型 126㎎/dl以上

これが、血糖値の基準。
ただし、これは「空腹時血糖値」の基準です。健診のときには、「夕食以降は何も食べないでくださいね」と言われて、空腹状態で測定しますよね。それが、空腹時血糖値です。
実は血糖値には空腹時血糖値以外にもいくつかの種類があります。
空腹時血糖値が正常であっても、まだ安心はできないのです。

空腹時の血糖値は低くても、食事をとったあとだけ、こっそり上がっているタイプの高血糖もあります。「食後高血糖」です。一般の健康診断では見つからないため、「かくれ高血糖」と言われることも。
つまり、食後の短時間だけ、血糖値がグンと上がって、下がる――ということを毎日、こっそりと食事のたびに繰り返しているわけです。血糖値をグラフにすると、急上昇して急降下するという、尖った針のような線を描くため、「血糖値スパイク」と呼ばれます。

血糖値は、低めに安定していることがいいと言われます(もちろん、低すぎるのもよくありません)。この「低め」も大事ですが、「安定」も大事。上がったり下がったりを繰り返すと、糖尿病に移行しやすいというだけではなく、血管に負担がかかるので、気づかないうちに全身で動脈硬化が進行している……ということもあります。空腹時高血糖よりも、食後高血糖のほうが心血管系の病気による死亡リスクが高いという研究結果もあるほどです。

 

10月2日より、医療モール「メディカルプライム高輪」6階に、「かがやき内科・糖尿病クリニック」がオープンしました。かくれ高血糖(食後高血糖)が気になる方も、一度、ご相談ください。

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